実験データ
| 1. ストロンチウム |
海水中のストロンチウム(Sr)の不溶化試験を行った。 【操作】 海水には通常、非放射性ストロンチウム(88Sr)が約8 ppm含まれているとされているが、本実験に使用した金沢近郊の海水のストロンチウム濃度は6.1 ppmだった。 これらのことから、本実験において試薬のストロンチウムは加えなかった。金沢沿岸の海水にω44を15 g/L 相当添加し、10分間撹拌、沈殿を濾別した上清のイオン濃度をICP-MS (誘導結合プラズマ質量分析計)により測定した。 【結果】 海水をω44で処理することにより、初期濃度6.1 ppmのストロンチウムは検出限界以下となった。 【考察】 ω44処理後、ストロンチウム濃度は検出限界以下となった。2価の陽イオンであるストロンチウムは海水中のカルシウムイオンなどと競合するので除去は困難とされており、数時間以上の処理時間をかけることが一般的である。しかし、今回の実験によって短時間でストロンチウムの除去が可能である結果は、後述のセシウム除去実験と考え合わせて、大容量の汚染水処理に現実的な見通しが立ったことを示唆している。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2. セシウム |
セシウム除去試験
【操作】 水道水あるいは海水(金沢沿岸水)に塩化セシウムを溶解し、1 mg/L 溶液を作成した。 このセシウム1ppm溶液にω44A(test1)あるいはω44B(test2)を15 g/L 相当添加し、10分間撹拌、沈殿を濾別した上清のイオン濃度をICP-MS (誘導結合プラズマ質量分析計)により測定した。 【結果】 淡水条件下、ω44A(test1)及びω44B(test2)はいずれも99.9% のセシウム除去率を示した。一方、海水の場合はω44A(test1)が99.8%、ω44B(test2)は99.6% の除去率を示した。 【考察】 ω44A(test1)あるいはω44B(test2)いずれの場合も良好なセシウム除去作用が認められたが、淡水に比べ、海水条件下ではわずかにセシウム除去率が下がった。これらの結果はパウダーに含有する試薬の種類あるいは配合割合によって除去能率が変動することを示しており、逆の見方をすると、実際の汚染水の状態によって試薬の種類あるいは配合を変えることで除去能率を調整することが可能であることが示唆される。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
| 3. 三種(海水) |
海水におけるストロンチウム、セシウム及びヨウ素酸イオン不溶化試験を行った。 3核種の性質に合わせて2段階の処理を検討し、まず、ストロンチウムを除去した後に、ヨウ素とセシウムの除去を行った。 【操作】 海水(金沢沿岸水)にセシウム、ストロンチウム標準液、ヨウ素酸カリウムを加え、それぞれ1.0、1.0、0.4ppmを含む試験溶液を作成した。この試験溶液400mlに処理剤ω44Aを6g(15g/リットル)加え、10分間撹拌した後に沈殿を濾別し濾液にω44Bを6g(15g/リットル)加え、10分間撹拌し、沈殿を濾別した上清のイオン濃度ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)により測定した。 【結果】 1)2段階処理によって、海水条件下、良好な除去率を示した。 2)ヨウ素酸の不溶化にフェリハイドライト類似試薬を用い、ヨウ素酸と同時に、セシウムの不溶化を達成した。
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